2011-05-10

DevLove / 縦サミット参加レポート (1)




ずいぶん時間が経ってしまいましたが、4/23 縦サミットのセッションのレポートになります。ただ、聞き違いや勝手な思い込みの混ざったレポートであることは、どうかご了承ください (_ _)
そういうものは排除して、ご自身の目で講演を確かめたいという方は、下記の動画をどうぞご覧ください。
1つのBlogに4つ分まとめて書いてみようと思ったのですが、長くなることと、なかなかまとまらないことから、数回に分けてみます。(オープニングと嵩原さんのお話しを取り上げます)
スタイルとして、お話しを伺っている時に書きとめたメモ、簡単なスケッチを載せていますが、不都合な点、配慮が足りない点は、どうかご指摘いただければ幸いです。

はじめのごあいさつ: @papandaさんから

最初のご挨拶は、@papandaさんです。
"DevLove Urakata Team" (良い言い回しですね)  の立場として、今回のイベントについてのお話し、#4tateへの意気込みをお話し下さいました。プレゼンの画面には、『3q! 楽天さま、翔泳社さま』の感謝の言葉も。しみじみと有難い機会をいただいたんだ、と思いつつ聞いておりました。

@papandaさんのお話しの中だったと思いますが、DevLove立ち上げの経緯が紹介されていました。
きっかけは、つくばでのRubyKaigi の帰り道だそう。(そんなに昔ではないんですね)
@papandaさんの同僚と、『なんかやりたいよね~』という会話がきっかけになり、そこに加え、
    • 楽しいだけじゃない!
    • 開発を前進して行られるような場を作りたい!
という想いから立ち上がったそうです。
そこからここまで...って、本当に凄いパワーですね。大切なきっかけを、会場の皆さんと共有できたことも、ちょっと幸せを感じました。
DevLoveの皆さんのイベントでは、皆さんからの#4tateのメッセージを集めていて、5/28の東北ディベロッパーズイベントに届けて下さるそうです。今回も、『渾身会』の場で、メッセージ集めをされたとのこと。
そうこうして、デブサミ史上最強の1時間となった、『4本の帆立』のセッションの再演が始まりました :)

1. これからのRIAの話をしよう - 嵩原さん (@take3000さん)

最初は、クラスメソッドの嵩原さんのお話しです。
今はFlex開発から離れちゃっていますが、やっぱり、『Flex、RIAのアプリと言えばクラスメソッドさん!』がまず思い浮かびます。(過去のデブサミでも同社の方の講演実績がありますし、私もお話しを聞いて、方法を取り込んだことがあります)
基本的には前回(2月のデブサミ)をベースにしてはいるものの、中身を少し変えている&2回目ということで、『SP1 』と銘打っての、220枚にも及ぶプレゼンの開始となりました。(凄い...)

業務アプリの使い勝手について:
    • テクノロジーの進化、設計手法の進化によって、システム中心から人間中心の設計、デザインに変わってきた。(RIAもそう)
    • 人事給与システムやメールシステムといった、業務アプリケーションは、非コアコンピタンスの部分。(その会社の直接のサービスとなるものじゃない)
    • 使い勝手は気にしなくて良いよね、そこそこ使えて安く使えれば良いよね、という考え方。(ある種の妥協、諦め)
    • でも、ほんとうにコストが抑えられているのか?と言ったら、そうとは言えない。結局使いにくければ問い合わせがたくさん来るし、コストがかかってしまう!
User Experience Design:
    • ユーザに対して有意義な体験優れた経験を与えるためのデザインを提供しよう。(ビジュアルなデザインじゃなくて、体験をデザインする)
    • 目指すものは、ある目的のために作りこまれたアプリケーションが、優しく快適に利用できるという点。(Ease & Pleasureのライン)
    • 『楽しい、面白い!』まで求めるのなら、それは別のアプリで...。(ゲームとか)
大事なのは "Strategy" (戦略):
    • 『インタラクションデザインの教科書』からのUXの5Sのうち、大事なのはStrategy。(ユーザのニーズやサイトの目的、という部分)
    • ビジュアルデザインだけではない。
    • プロジェクトの終盤の方でデザイナをアサインするというのではダメ!
    • 早い段階から、User Experienceを意識した設計や開発を!
    • モデリングでは、ユーザの感情や使い勝手に踏み込んだ設計はできない!
ユーザビリティの5つのルール:
      • アクセス: ツールの利用経験の無い人が、助力や指導無しに使えるものでないといけない。
        現実のフローに従った処理を想起させるようなつくりでないといけない。
      • 支援: ユーザの真の仕事をよりやさしく、単純に、速く、楽しく達成できることにより、さらに新しいことが出来るように支援するものでないといけない。
      • 何をシステムに反映させよう?
    UI設計の原則:
      • Exp. 再利用の原則: 同じことをさせるなら、同じダイアログを出すようにする、など。
      • ....でも、原則、ルールがたくさんあるし、どれからあてはめていけばいいんだろう?
      • 指針はシンプルに!
      • ウェブ戦略としてのUIであれば、ここ -> 効率を改善させる。より早く、正確に(間違わずに)!
      • 早く、間違わずに操作できることを目指そう。
    優秀なUIデザイナはどこ?:
        • 日本には少ない....。
        • 逆に、適正のある人を『育てていく』ほうがいいのではないか
      RIAの話:
        • Flash(Flex), Java, Silverlight -> ランタイムを配布する形で広める。
        • HTML5 -> ブラウザの標準化を進めることで展開を図る。 
        • Silverlightはブラウザ外でも動作する。.NETアプリがMac上で動かせるんだよ!
        • UIデザイナが、Blendを使ってSilverlightアプリを開発することも出来るよ!
      HTML5が出たらFlash要らなくなるの?:
        • HTML5で実現できている機能は、現状、Flash8くらいのレベル。(今Flash10)
        • 同じ機能を有するアプリケーションでも、HTML5に比べてFlashやSilverlightの方が早いものもある。
        • ユーザの要求は年々上がって行くもの。(スマートフォン、マルチデバイス対応...)
        • いったん便利さに慣れたユーザは、機能が劣ると満足しない。
        • HTML5は何でも動くと言っても、やはりJavaScript書かないといけないから、クロスブラウザの問題が残る。
        • HTML5の仕様が実際に実現できるまでに、ユーザ要求はもっと複雑化しているかもしれない
        • システムのライフサイクルを考えて、どんなRIAの技術を取り入れるかを考えることが必要。
      キネクトについて:
        • それって何になるの?
        • デバイスが触れない環境でも使える、という発想から何か考えられないか。
        • 例えば、外科手術中の執刀医が、『忙しくて、手がふさがっていて、パソコンなんか触ってられない!』という状況でも、動作をすることでTVやモニタ、CTを切り替えたりする...というのはどうだろう?
      TweetDeckの楽しさ:
        • AIRでできたTwitterアプリ。おもしろいよ。
        • いろんなサービスと連携して、成長してきている。
      アジャイル開発とUIについて:
        • クラスメソッド社の経験からのお話し(貴重!)
        • UI、UXは、コンセプトを変えるのが大変!
        • ただし、アジャイル開発でユーザへの提供がこまめに発生する分、UIに対する検証の機会も多いので、必然的にアジャイルっぽくなっていく。
      契約について:
        • IPAで、アジャイル型開発に適したモデル契約をまとめているので、参考にどうぞ。
        • 開発手法はどんどん変わっているのに、契約形態は変わっていないのが現実。
        • 変わっていくといいよね...。
      良いデザインのためには:
        • 良いデザインをするには、良いデザインを知ることから!
        • 悪いものほど印象に残り、たとえば、クレームは50人に伝播するのに対し、良い情報は3人くらいしか伝わらない。
        • 「良いもの」は、意識しないで使えてしまうからなのかも?
        • UXに向かう最初の一歩は、良いデザイン、UXに触れ、褒めること!
      正しくない行動パターン: (UIを正しく使えないパターン): 


        • 1. そのUIを見て、使い方を考える。(考えなければ使えない、どづしたらいいのか、何のためのものか判らない)
        • 2. (考えた通りに) 実行、操作してみる。
        • 3. それが正しい操作だったのか、目的を達成できる動作だったのかを、ユーザ自身が確かめる。(確かめなければならない)
        • ユーザの時間を無駄にする、余計な負担や動作を強いるものはNG。

      ITシステムに関わる全ての人が共通の目的を持とう:

        • 誰のためのソフトウェアか?
        • 誰のためのデザインか?
        • UIは、システム全体、ひいては、社会全体のコストにかかってきます!

      嵩原さんの Post 3.11


      1つめだけでも、とても聴きごたえのある内容でしたが、デブサミ時点と違うことは、3.11後であるということでした。スピーカーの皆さんが、それぞれに講演内容 に加え、 3.11を経験してからの新たな想いを語って下さっていました。
      今回のBlogでは、嵩原さんの震災後の心の葛藤と決意といったお話しを最後に添えさせていただきます。
        • ITの人間として、『為す術なし...』という無力感。
          『瓦礫一つ動かすことができないじゃないか...。』
        • でも、ぼくたちは情報を扱うプロだ!
        • ITが専門では無い人たちに伝えることが大事。
        • 情報を得るための道具が、結局使えないようじゃいけない。
          使いやすいUIじゃないといけない!
        • 理想は、『助力や指示が無くても使えるUI』ではあるけれど、まずは『根気よく使い方を教える』ことが大事だ。
        • 『魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ』、のたとえもあるように。
      ITに関わる者の責任として、人に対する優しさを忘れないことが大事、ということを仰っていました。

      感想:

      嵩原さんのまとめには、とても素直に共感できました。
      良いデザイン、良い点は、意識しないとそれが伝わってこないけれど、良いものは『良い!』、という感受性や、素直に認めて褒めるこころは大事にしたいなあと思いました。
      良いものに触れ、経験し、感動することこそが、良いものに繋がると私も思っているからです。また、作り手も、褒めてもらうと本当にうれしいですものね。
      また、このお話しの中で、業務アプリケーションのデザインというと、地味な印象かもしれませんが、重要性を再確認できました。UIデザインのお仕事は、ユーザの喜んで下さる現場に一番近いお仕事です。システム開発にかかわったすべての皆さんの願い、『このシステムはこういう目的で、こんなふうに使って欲しい』という想いが、UIを通してちゃんと伝えられないといけないんですね。
      私も少しですがUIにはかかわっていたので、『またやってみたいなあ~』という希望や、UIの価値、目的意識を改めて持つことができました。

      さらに、キネクトについての視点や、「HTML5登場でFlash/Silverlightはどうなるか?」という内容も、非常に参考になりました。そもそも私はクロスブラウザの問題が嫌でFlexを使って開発していた過去があるのですが、最近のHTML5の隆盛に、『もう行けてないのかしら....』という不安と寂しさを感じていたもので (^^;
      今回のお話しで、『いや、AIRとかSilverlightもまだまだ行けそう!』と勝手に自信を持ってしまったのでした。

      もちろん、最後に嵩原さんのお話しして下さったことも。

      UXのお話しをまとめていて、1つ思い出したのが、『ソフトウェアアーキテクトが知るべき97のこと』の1トピックです。

      上記のトピックでは、ソフトウェア全体について語られていますが、UXも含め、使い勝手や生産性、人に対する優しさと言ったものは、『ソフトウェア倫理』として、つねに振り返る必要があるなと感じました。

      お話しを聞いた者の役目として、自分の職場や、メッセージを届けられる範囲でも良いから、想いを伝えていこうと思っています。

      嵩原さん、papandaさん、どうもありがとうございました!





            1 件のコメント:

            1. 部のミーティングで、簡単に紹介させていただきました。
              駆け足でお話ししたので、実践的なドキュメント、ガイドラインとかを知りたいね、とのこと。

              嵩原さんのスライドの中では、もちろんたくさん出てきていましたので、そちらも紹介したり、自分でも読んで行きたいなとおもっています :)

              返信削除